骨のあるサンゴ『ハードコーラルの生態』

前回、サンゴの大まかな種類と生態について触れましたが、今回は骨のあるサンゴ「ハードコーラル」をピックアップしていきます。

ハードコーラルの特徴

ハードコーラルとは、「骨を持つサンゴ」ということを前回お話ししました。そのハードコーラルの中にも大きく分けて3種類が存在します。

好日性SPS(スモールポリプストーニーコーラル)

褐虫藻を体内に共生させて、その褐虫藻が光合成をして得た栄養をもらう種類です。その中でもポリプと呼ばれる生き物の集合体が薄く骨格に貼り付いているものをSPS(スモールポリプストーニーコーラル)と呼びます。

水面に近い浅瀬に多く住んでいて、激しい水流と清涼な水を好みます。又、浅瀬に住んでいることから高レベルの光量が必要で、水槽で飼育できるサンゴの中で一番難しい種類といえます。

水槽内で飼育する際は生半可な設備じゃ数日と持たず死んでしまいます。

SPSの仲間を飼育するためには、とにかく水量を確保することが成功のポイントになります。温度変化(とくに高水温)と水質変化に非常に弱く、あっという間に骨だけになってしまう為、環境変化の激しい小型水槽では難易度が更に上がります。初めてSPSを飼育される方は、最低でも90cm水槽でスタートされることをお勧めします。

種類

この種類には「ミドリイシ」などのサンゴ礁を形成するサンゴの代表格たちが分類されます。

・ミドリイシ
・トゲサンゴ
・ハナヤサイサンゴ
・コモンサンゴ
・ウスコモンサンゴ
・エダコモンサンゴ

水質

飼育に用いるろ過方法は「ナチュラルシステム」を採用することが一般的で一番失敗がないと思います。メーカーの推奨するワンランク上のプロテインスキマーを設置して、魚などの水を汚す生き物はなるべく入れすぎないようにしたいです。

水温

水温は24~25℃をキープするようにします。冬はヒーターで簡単に保温できますが、夏場の高水温を回避するには水槽用クーラーが必須です。閉め切った室内では水槽用クーラーだけで目標の水温まで下がらない場合もあるので、室内のエアコンを併用する場合もあります。27℃以上になると危険ラインなので、必ずクーラーを設置しましょう。

照明

浅瀬に住み、かなり活発に光合成を行う種類なので、非常に強い光を出せるメタルハライドランプ(メタハラ)の使用が一般的です。最近では高性能なLEDも発売されていて、これからはメタハラに代わる照明機器になってくるはずです。飼育する種類にもよりますが、90cm水槽でミドリイシを飼育するなら250wのメタハラを2灯はつけたいところです。

飼育だけではなく、サンゴの色揚げを狙う場合は、更に多灯が求められる場合もあります。

好日性LPS(ラージポリプストーニーコーラル)

SPS同様に褐虫藻を体内に共生させて、光合成により栄養を摂取する種類です。SPSと異なる点は、骨格にポリプが分厚く付いていて、水質や光量などの飼育条件がSPSより比較的緩くなります。

肉の部分が大きいことから、あまり強い水流は好まず、場合によっては骨から剥がれてしまうことがあります。直接強い水流が当たらないようにして、ゴミが溜まらない程度の水流で飼育します。

そのブヨブヨなお肉を好んで食べる魚(ヤッコの仲間等)がいるので、魚を入れる際には注意が必要です。

種類

この種類には「オオバナサンゴ」などのブヨブヨ系が分類されます。

・オオバナサンゴ
・ハナガタサンゴ
・アザミハナガタサンゴ
・ハナガササンゴ
・ナガレハナサンゴ
・コエダナガレハナサンゴ
・キクメイシ
・カクオオトゲキクメイシ
・バブルコーラル
・アワサンゴ
・クサビライシ
・キッカサンゴ
・トランペットコーラル
・アザミサンゴアザミサンゴ

水質

SPSほど清涼な水を要求しない種類が多く、むしろ多少の栄養塩があった方が調子のいい種類もあります。プロテインスキマーは必須ではなく、外部ろ過での飼育が一般的です。難易度は上がりますが、60cm以下の小型水槽では、上部フィルターや外掛けフィルターで飼育することも可能です。

水温

SPSより高水温に耐えることができますが、28℃は超えないようにしたいところです。やはり失敗をしない為に、サンゴ飼育の際はクーラーの設置をお勧めします。

照明

蛍光灯レベルの光量で飼育可能な種類が多く、高光量でないLEDでの飼育も可能です。生体の調子を見ながら必要に応じて光量をアップしていく程度でいいでしょう。

陰日性LPS(ラージポリプストーニーコーラル)

好日性LPS同様、お肉の部分が大きいブヨブヨ系のサンゴです。好日性LPSと異なる点は、深場に住んでいる為、光合成ではなく捕食によって栄養を得ている、というところです。

水温や水質は好日性LPSよりシビアになり、SPSより難易度が高くなる場合もあります。あまり初心者向けではありませんが、光を当てておけばいい好日性とは違い、給餌が必要なのでペット感覚で楽しめるサンゴでもあります。

種類

この種類には「オオバナサンゴ」などのブヨブヨ系が分類されます。

・キサンゴ
・タコアシサンゴ
・イボヤギ
・ハナタテサンゴ

水質

プロテインスキマーは必須でSPS並みの清涼な水が理想的です。光合成をしない代わりに捕食をする為、飼育下では人の手で給餌をする必要があります。その為、水が汚れやすく飼育難易度は高くなります。

水温

深場に住んでいるので、高水温に耐えることができません。必ずクーラーを設置して25℃は超えないように22~23℃に設定するのが理想です。

照明

観賞用の蛍光灯程度で十分で、強い光を好まない場合もあります。調子を見ながら点灯時間や光量を調整する必要があります。

まとめ

今回は骨のあるサンゴ「ハードコーラル」についてお話ししました。飼育が難しく、高価な器材が必要な場合も多いですが、うまく飼育できた時はとてもうれしいものです。

次回は骨のないサンゴ「ソフトコーラル」を紹介していきます。

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